過去のブログでもお伝えしましたが、遺言は心身ともに健康状態の良いときにした方が良いです。
これは後に遺言能力が問題視される可能性があることを念頭に置くためです。
遺言能力について知りたい方は、遺言は残すべき?遺言の必要性について考えましょう を是非ご覧下さい。
そして今回のお話し。
前置きになりましたが今回お伝えしたい内容は、一度作成した遺言の内容に拘束されることは無い、という話です。

既にタイトルにありますが、遺言はいつでも撤回できるのです。
その理由ですが、遺言者の最終の意思を尊重するものとして遺言があり、一度作成した遺言の内容に拘束されてしまっては遺言者の最終の意思が尊重されない結果になってしまうからです。
例えばこんなことも…
終生自宅での介護を望んでいた場合に、その願いを叶えるため家族の者に財産のほとんどを相続させる約束をしていたが、恣意的に約束を無視され、遺言内容を変更したいと考え始めた。
もし遺言した後に、この様な事情で遺言内容を変更したいと思うときが来たとしたらどうでしょうか? あくまでも一例です…
にもかかわらず、それができないとなれば困ります。
よって、遺言はいつでも撤回できるのです。
そもそも遺言は、相手方の意思に関係なく遺言者が一方的に作成します、そして効力が生じるのは遺言者の死後であるため、「効力が発生するまでの間は撤回するのも自由」という事になるのです。
次に撤回の方法です。
まずは遺言の方式による撤回.
法律が定める遺言の方式は、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言です。(ただし、特別の方式による場合はこの限りではありません。)
つまりは、古い遺言を撤回するためにいずれかの方式で第2の遺言(新しい遺言)をするという事です。
前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなします。
その場合、古い遺言と新しい遺言が同一の方式である必要はありません。
次に事実上の撤回行為.
これは、遺言と遺言後の生前処分その他の法律行為が抵触する場合です。
例えば、財産である不動産を遺贈するという遺言をしていた遺言者が、その遺贈の目的物である不動産を生前に破棄または売却処分等をした事により、遺言とその処分行為とが抵触する場合などが当たります。
この処分行為の部分について遺言は撤回したものとして扱われます。
ここまでご覧になって頂き有り難うございます。
最後に撤回された遺言の効力についてです。
撤回された遺言の効力
撤回された遺言は効力を失います。これは当然と言えば当然です。
では効力の無くなった遺言を、もし仮に復活させたい場合にそれは可能でしょうか?もしくは処分行為が取り消された場合に遺言の効力は回復するのか。
これについては非復活主義が採用されており、いったん効力を失った遺言または撤回された遺言の効力は例外を除き回復しません。
最初の遺言を第2の遺言で撤回した後に、その撤回行為をさらにもう一度撤回して最初の遺言を希望するのであれば、新たな第3の遺言をしなければなりません。
撤回行為にはこの様な制限があります。
例外とは、遺言を撤回する行為が詐欺・脅迫により取り消されたときです。
大切な家族を相続争いから守るため、あなたの想いを実現するための遺言書を作成しましょう。

遺言の方式は厳格に定められています。分からないことは専門家に相談しましょう。